DX(デジタルトランスフォーメーション)への道

DXをテーマに様々な有益な情報を発信して行きます

第2回「なぜ今DXなのか」

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平素よりお世話になっております。

 

東海デジタル化相談室の大塚です。

 

第1回の記事「DXとは何か」ではDX(デジタルトランスフォーメーション)についてご説明しました。

 

sl-tdc2021.hatenablog.com

 

DXを簡単に要約しますと「デジタル技術を使うことで業務を抜本的に変えていくこと」でしたね。

 

ただし、この「業務を抜本的に変える」というものはハードルが高いものでもありまして。

 

・既存のシステムで上手くいっているから必要ない。

・新しいものを導入すると社員が慣れるまで不便だから必要ない。

・そもそも電子機器を上手く扱うことができない。

 

などなど中々DX化に踏み切ることができないご意見がちらほらと見受けられます。

 

様々なご意見はありますが個人的には「DXに価値を見いだせていない」ことがDX化を阻む一番の原因ではないかと考えています。

 

今回の記事では「なぜ今DXなのか」というテーマを基に、DXの価値をお伝えしDX化の初めの一歩を踏み出していただくお手伝いができればと思っております。

 

 

 

 

なぜ今DXなのか


 

皆さんはなぜ今DXが必要なのかご存じでしょうか?

 

今はITの時代だから、周りがそれに動いているから、働き方改革が…

 

様々なご意見があると思います。

 

現代の日本にDXが必要な理由は以下の通り。

 

国際的な社会の変動を見たときに、海外の社会はインターネットありきの社会に変化しつつあり、日本の会社はその変化が遅れているからです。

 

IMD世界競争力センター調べでは、日本の世界デジタル競争力ランキング2023は64経済圏中32位。過去4年間のデータを見ると年々ランキングが下がってきております。

 

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また来年に控える「2025年の崖」にも対応しなければならないためです。

 

 

 

 

2025年の崖とは


 

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※1

 

「2025年の崖」とは、部門ごとのシステム構築や、過剰なカスタマイズで複雑化した既存のシステムを、企業が利用し続けることにより発生するリスクを示した言葉です。

 

例えば「昔から使ってきているシステムだから使い続けている」という部門があったとし、この問題点について少し深堀りしてみましょう。

 

古くからあるシステム、言葉を悪くして言うと時代遅れのシステムのことを「レガシーシステム」と言います。

 

そのレガシーシステムの多くは「COBOL」という事務処理用に開発されたプログラミング言語を使っています。

 

そのCOBOLを理解し運用しているエンジニアの多くが2025年までに定年を迎えてしまい、レガシーシステムを保守するエンジニアがいなくなってしまうことが懸念されています。

 

そのためレガシーシステムを未だに利用している会社にはそれ相応のリスクが生じてしまうわけです。

 

また「過剰なカスタマイズで複雑化した既存システム」も同じようなことが言えます。

 

システムの中身をしっかり理解している人材が現場から離れてしまった際、システムに不具合が発生して「これどうすればいいんだ…」となってしまうわけです。

 

つまりは「既存システムに対して対応できる人材が不足してしまう」ことに懸念があるのです。

 

逆に「誰でも保守できるようなシステム作り」が求められているとも言えます。

 

2025年の崖問題についてはまた別記事でガッツリと解説していきたいと思います。

 

 

 

 

テレワーク制度の導入提案、ありましたよね


 

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2019年の年末から物凄い勢いで流行した新型コロナウイルス

 

以降働き方の見直しを余儀なくされた日本は「テレワーク制度の導入」など新たな働き方について提案がされてきました。

 

しかし社内コミュニケーションツールが発達していなかったり、テレワークをせず出社して業務にあたるなど、新型コロナウイルス対応が遅れている企業がありました。

 

新型コロナウイルス対策の一旦の終息を経た今でもそれは変わりません。

 

2019年から5年が経った今でもITの利活用を上手く行えていなかったり、テレワーク制度がしっかり整備されていなかったり。これは特に中小企業でその傾向が強いとの調査結果があったようです。

 

テレワークの導入がそのままDX化とは中々言い難いですが、「通勤時間に使う体力を減らし、仕事で最大のパフォーマンスを発揮できる」と考えるならばDXへの第一歩と言っても過言ではないでしょう。

 

 

 

 

海外のDX例について


 

日本が遅れを取っている「海外のDX事例」についてご紹介いたします。

 

医療の面では驚くことに遠隔医療が発展しつつあり、患者と医師がWeb上で繋がり診察が行われているとのことです。

 

またアプリによる日々のヘルスケアも普及しています。

 

日常生活ではどうでしょうか。

 

日本でも馴染みがある「paypay」や「ID」、「〇〇ペイ」のようなアプリ決済が海外では完全に浸透しているようです。

 

また「Uber」系のタクシー配車や外食のデリバリー、ECサイトでの買い物もアプリ内で済ませることができます。

 

VOD(ビデオオンデマンド)を開始したNetflixやAmazonPrime。

 

日本でも浸透してきたデジタルツールが海外では当たり前になっているのです。

 

このような状況を鑑み、政府もDXに対して本腰を入れ始めているわけですね。

 

 

 

 

おさらい


 

使いやすいシステム、デジタル化できていない業務や資料。

 

これらを使って仕事をしている日本の文化が全てダメということは言いません。

 

しかし今後、日本の企業が国際的な市場で生き残っていくためにはDXは不可欠なものであると言えます。

 

また現状の日本と海外のDXには大きな差があります。

 

それは「業務改善のため」なのか「顧客満足度を上げるため」なのかという点です。

 

DXが目指す最終目標は「新たな価値を見出す」ことです。

 

・でも今はお金がないから

・でも今は時間がないから

・でも今は人が足りていないから

 

せっかく高い目標を掲げて業務に取り組み、新たなアイデアがあっても上記のような壁で足踏みをするのは本当にもったいないことです。

 

まずは「業務改善」を行い、先ほどのような懸念点を追い払うこと。

 

そして新たに確保したリソースを使い「顧客満足度を上げる工夫」をして「新たな価値を見出す」ことこそがDXと言えるのでしょう。

 

次回は改めて2025年の崖についてお伝えします。ご期待ください。

 

 

 

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www.sl-tdc.com

 

出典

※1 経済産業省